小浜線から湖西線の旅へ

小浜市を抜けるとおおい町で、右手には青戸入江と呼ばれる波静かな入り江が続き、やがて高浜町へ入る。
ここも美しい浜が続き、シーズンには海水浴客でにぎわうところ。
若狭高浜駅の南西には喧嘩祭りと呼ばれる勇壮な祭りで知られる佐伎治神社があり、7年目ごとに開催が巡ってくる。
機会に恵まれたらぜひ見てみたいものだ。

次第に青葉山が近づき、吉坂峠のトンネルを越えると京都府に入る。
終着の東舞鶴駅はもうそこまで近づいている。
やがて列車は静かに東舞鶴駅に滑り込む。

東舞鶴はかつて軍港が置かれ、戦後大陸からの引揚者が第一歩を印したところ。
舞鶴市の中央にある五老ヶ岳に登れば、複雑に入り組んだ舞鶴湾が眼下に見て取れる。

京都市街の南東部にある山科駅から琵琶湖の西側を北へと走り、滋賀県の北部の西浅井町にある近江塩津駅を結ぶ路線。
沿線には鉄道唱歌でも歌われた琵琶湖疎水や、天台宗の総本山・比叡山延暦寺などがあるほか、琵琶湖や比良山系の山並みが車窓を彩る。

久大本線の魅力

全長141・5kmの路線には36の駅があり、特急列車のほか各駅停車のワンマンカーが走っている。
車窓を耳納山地、玖珠川、由布岳など九州の豊かな自然が彩り、沿線には、西日本巨峰発祥の地といわれる久留米市田主丸町(田主丸駅)のほか、石積みの棚田がある「つづら」地区(うきは駅)や江戸時代に幕府の天領として栄えた日田(日田駅)など歴史的見所、また天ヶ瀬温泉(天ヶ瀬駅)や由布院温泉(由布院駅)などの名湯が点在している。

久大本線は、久留米駅から鹿児島本線としばらく並走。
やがて大きく左へと向きを変えて久留米市街地を走り抜ける。
右車窓に耳納山地が見えてくると、田主丸駅へと滑り込む。

田主丸は甘くておいしい西日本巨峰発祥の地。
果実の大きさと甘さを誇る田主丸産巨峰は輸送が難しく、そこで発案されたのが巨峰狩りだ。
もぎたての巨峰は絶品と、初秋には多くの観光客でにぎわう。
この田主丸と筑後川を挟んで対峙するのが三連水車で有名な朝倉。